P.F.ドラッカー『経営者の条件』③

“マネジメントの父”と呼ばれるP.F.ドラッカー(1909-2005)の名著『経営者の条件』<ダイヤモンド社>より名語録をご紹介していきます。【第3弾】

“エグゼクティブが成果をあげるための第一歩は、現実の時間の使い方を記録することである。(中略)重要なことは、記録することである。しかも記憶によって記録するのではなく、リアルタイムに記録することである”

“時間の使い方は練習によって改善できる。しかし、時間の管理にたえず努力しないかぎり、仕事に流されることになる”

“自分がなすべき仕事を委譲してしまうのではなく、まさになすべき仕事に本当に取り組めるようになるために、ほかの人間にできることは任せてしまうことこそ、成果をあげるうえで最も重要なことである”

“事実上、時間を整理しすぎてしまう危険はあまりない。通常、誰でも、自分自身の重要度については、過小ではなく、過大に評価しがちなものである。そして、あまりに多くのことが、自分でなければできないと考えてしまう。極めて大きな成果をあげる者でさえ、極めて多くの不要かつ非生産的な仕事をしている”

ルーティン化とは、判断力のない未熟練な人たちでも、天才的な人間を必要としたような仕事を処理できるようにしてしまうことである。ルーティン化は、非常に有能な人間が過去の恐るべき危機から学んだことを、体系的かつ段階的な形にまとめてしまうことを意味する”

よく管理された工場は、退屈である。危機は予測され、対処の方法はルーティン化されている。そのため、劇的なことは何も起こらない。よくマネジメントされた組織は、退屈な組織である。そのような組織では、真に劇的なことは、昨日の尻ぬぐいのためのカラ騒ぎではない。それは、明日をつくるための意思決定である”

“組織内の上の方の人たちが、自分の時間のある程度以上、おそらく1割以上を、人間関係の問題、すなわち半目や摩擦、あるいは管轄範囲をめぐる争いや、部門間の協力にかかわる問題に使っているならば、ほとんど確実に人間が多すぎるといえる”

理想的に設計された組織とは、会議のまったく開かれない組織である。誰もが、仕事をするために知るべきことは、すべて知っている。仕事をするために必要な資源は、みなもっている”

“成果をあげるべき者たちが、自分たちの時間の一定割合以上を会議に使っているならば、それは、組織の欠陥の明らかな証拠である。しかも会議は、そのフォローアップのために、時間のかかる公式非公式の小会議を生む”

“会議は、目的をもって方向づけしなければならない。方向づけのない会議は、迷惑なだけにとどまらない。危険である。しかし、何よりもまず、会議は原則でなく、例外としなければならない。あらゆる人間が、常に会議している組織は、だれも何事も成しえない組織である”

“成果をあげるためには、自由に使える時間をひとまとめにする必要があることを知らなければならない。大きくまとまった時間が必要であるということ、そして小さな時間は時間として役に立たないということを知らなければならない”

時間は、最も稀少な資源である。しかも、時間を管理できなければ、何も管理できない。そのうえ、時間の分析は、自分の仕事を分析し、その時間のなかで何が本当に重要であるかを考えるうえでも、極めて容易かつ体系的な方法でもある”