P.F.ドラッカー『経営者の条件』⑥

“マネジメントの父”と呼ばれるP.F.ドラッカー(1909-2005)の名著『経営者の条件』<ダイヤモンド社>より名語録をご紹介していきます。【第6弾】

“成果をあげるための秘訣を一つだけ挙げるならば、それは集中である。成果をあげる人は最も重要なことから始め、しかも一度に一つのことしかしない

“自らの強みを生かそうとすれば、その強みを重要な機会に集中する必要を認識する。事実、それ以外に成果をあげる方法はない。二つはおろか、一つでさえ、よい仕事をすることは難しいという現実が集中を要求する”

“時間と労力と資源を集中するほど、実際にやれる仕事の数と種類は多くなる”

“集中のための第一の原則は、生産的でなくなった過去のものを捨てることである。そのためには自らの仕事と部下の仕事を定期的に見直し、「まだ行っていなかったとして、いまこれに手をつけるか」を問うことである”

もはや生産的でなくなった過去のもののために資源を投じてはならない。第一級の資源、特に人の強みという稀少な資源を昨日の活動から引き揚げ、明日の機会に充てなければならない”

“成果をあげる者は、新しい活動を始める前に必ず古い活動を捨てる。肥満防止のためである。組織は油断するとすぐ体型を崩し、しまりをなくし、扱いがたいものとなる。人からなる組織も、生物の組織と同じようにスマートかつ筋肉質であり続けなければならない”

古いものの計画的な廃棄こそ、新しいものを強力に進める唯一の方法である。アイディアが不足している組織はない。創造力が問題なのではない。せっかくのよいアイディアを実現すべく仕事をしている組織が少ないことが問題である。みなが昨日の仕事に忙しい”

“トップ本来の仕事は、昨日に由来する危機を解決することではなく、今日と違う明日をつくり出すことであり、それゆえに、常に後回しにしようと思えばできる仕事である。状況の圧力は常に昨日を優先する

“優先順位の決定には、いくつか重要な原則がある。第一に、過去ではなく未来を選ぶ。第二に問題ではなく機会に焦点を合わせる。第三に、横並びではなく独自性をもつ。第四に、無難で容易なものではなく変革をもたらすものを選ぶ”

“一般的にいって、小さくて新しいものの、大きくて新しいものも、危険で困難かつ不確実なことには変わりはない。問題の解決、すなわち昨日の均衡の回復などよりも、機会を成果に変えることのほうがはるかに生産的である

“集中とは、「真に意味あることは何か」「最も重要なことは何か」という観点から時間と仕事について自ら意思決定をする勇気のことである。この集中こそ、時間や仕事の従者となることなくそれらの主人となるための唯一の方法である”