P.F.ドラッカー『経営者の条件』④

“マネジメントの父”と呼ばれるP.F.ドラッカー(1909-2005)の名著『経営者の条件』<ダイヤモンド社>より名語録をご紹介していきます。【第4弾】

“成果をあげるためには、貢献に焦点を合わせなければならない。仕事から目を上げて、目標に目を向けなければならない。「組織の業績に影響を与えるような貢献は何か」を自らに問わなければならない。すなわち、自らの責任を中心に据えなければならない”

“しかし、エグゼクティブの大部分が、下に対して焦点を合わせている。成果ではなく、努力に焦点を合わせている。組織や上司が自分にしてくれるべきことや、自分がもつべき権限を気にしている。その結果、成果をあげられなくなっている”

“「どのような貢献ができるか」を自問するということは、自らの職務の可能性を追求するということである。そのように考えるならば、多くの職務において優秀な成績とされているものの多くが、実は、その膨大な貢献の可能性からすれば、極めて小さなものであることがわかる”

“直接的な成果は、常に最も重要である。組織を生かすうえで、栄養におけるカロリーと同じ役割を果たす。しかし、組織には、人体におけるビタミンやミネラルと同じように、第二の領域として、価値へのコミットメントと価値の再確認が必要である。組織は常に目的を持たなければならない。さもなければ、組織は混乱し、麻痺し、破壊される

“ビジョンや能力や実績において、今日の水準を維持しているだけの組織は、適応の能力を失ったというべきである。人間社会において唯一確実なものは、変化である。自らを変革できない組織は、明日の変化に生き残ることはできない

“エグゼクティブに最もよく見られる失敗の原因は、新しい地位の要求するものに応えて、自ら変化していく能力や意思の欠如である。それまで成功してきたのと同じことを続けていたのでは、失敗する運命にある”

“貢献に責任をもつべきエグゼクティブは、自らの産出物すなわち知識の有用性に強い関心をもたなければならない。成果をあげるエグゼクティブは、このことを知っている。なぜならば、彼らは、常に自分の目を上に向けているために、ほとんど無意識に、ほかの人間が何を必要とし、何を見、何を理解しているかを理解できるからである”

“人間、特に知識労働者は、自らに課される要求に応じて成長する。自分が業績や達成とみなすものに従って成長する。自らに対し、少ししか要求しなければ、成長はしない。極めて多くを要求すれば、何も達成しない人間と同じ程度の努力で、巨人にまで成長する”