経営の名語録(11)

もし仮に自分が店をたたんでしまった場合、お得意先が「惜しい店がやめたな」と残念がってくださるかどうか、それだけの商売を自分が今しているかどうかといったことを反省、検討してみてはどうでしょう” 松下幸之助著 「商売心得帖」より

これは、企業の存在意義について深く考えさせられる究極の問いです。

自社について考える前に、まずは皆さまにとっての「やめられては困る」企業を具体的に挙げてみてください。

私も「やめられては困る」企業を書き出してみたところ、いくつかの特徴があることに気付きました。

特徴①:その企業が提供している商品・サービスは、抱えている問題を具体的に解決してくれたり、欲求をちゃんと満足させてくれる。

特徴②:その会社が提供している商品・サービスがなくなると、生活や仕事に支障がでて、なおかつ代わりのモノがなかなか見つからない。

特徴③:その商品・サービスの価格は適正で支払うことができる水準である。

特徴④:買いたい時に、ストレスなく買える。

特徴⑤:離れづらくさせる仕掛けがさりげなく施してある。

いかがでしょうか?皆さまが挙げた企業も上記のいくつか(あるいはすべて)を満たしているのではないでしょうか?非常に基本的なことですが、この5つの特徴を磨けば磨くほど「やめられたら困る」と思う人が多くなり、その結果売上げは増え、収益性も高くなっていきます。

以上を踏まえて次の問いを冷静かつ客観的に考えてみましょう。「自分の会社がビジネスをやめたら、困る人は誰か?そしてその人たちはなぜ困るのか?

もし、結果が残念なものとなってしまっても落ち込む必要はありません。改善の道筋は上記の5つの特徴に示されています。顧客から目を離すことなく1つづつ丁寧かつ迅速にPDCAを回しましょう。そして「世間に必要とされる、なくてはならない企業」に進化していきましょう。