経営の名語録(1)

どんな場合でも、窮屈はいけない。身体を窮屈にするのもいけないが、心が窮屈になるのはなおいけない。心の働きが鈍くなって、よい知恵が出てこないのである” 松下幸之助著 『道をひらく』より 

新型コロナウィルスが世界中で猛威を振るっています。この戦いに勝つためには、行動を抑制し、じっとしていなければならないというビジネスに関わる者にとっては拷問にも等しい意思決定をしなければなりません。

そんな窮屈な状態にある今だからこそ、この言葉が胸に響きます。人は困難に直面すると往々にして動揺し、視野が狭まり、冷静で合理的な判断力を失い、先のことを考える余裕がなくなります。平常時であれば見えるものも見えなくなってしまいます。

コロナウィルスはいずれ収束します。しかし、収束後の世界はもはや私たちが知っている世界とは違う姿になっているはずです。

幕末の偉人勝海舟はよくこんなことを言っていたそうです。“首を横や縦に動かすことは知っているものはいるが、何か事が起きた時に、チョイっと首を伸ばして向こうの先を見通すことのできねえものが多い

まずは、一旦手を止め、深呼吸して心を落ち着けましょう。そしてチョット先の新しく、希望に満ちた未来を思い描いてみましょう。体は窮屈でも、本来自由自在な心の働きまで窮屈にしてしまってはいけないはずです。