P.F.ドラッカー『現代の経営』②

“マネジメントの父”と呼ばれるP.F.ドラッカー(1909-2005)の代表作『現代の経営』<ダイヤモンド社>より名語録をご紹介していきます。【第2弾】

“企業の目的として有効な定義は一つしかない。すなわち、顧客の創造である。市場は、神や自然や経済によって創造されるのでなく、企業によって創造される” (上巻P46)

“企業が自ら生み出していると考えるものが重要なのではない。特に企業の将来や成功にとって重要ではない。顧客が買っていると考えるもの、価値と考えるものが重要である” (上巻P46)

“企業は単に経済的な財やサービスを供給するだけでは十分でない。より優れたものを創造し供給しなければならない。企業にとって、より大きなものに成長することは必ずしも必要ではない。しかし、常により優れたものに成長する必要はある” (上巻P50)

“企業にとって第一の責任は、存続することである。言い換えるならば、企業経済学の指導原理は利益の最大化ではない。損失の回避である。企業は事業に伴うリスクに備えるために、余剰を生み出さなければならない。リスクに備えるべき余剰の源泉は一つしかない。利益である” (上巻P60)

“未来のリスクを賄うための利益、事業の存続を可能とし、富を生み出す資源の能力を維持するための最低限度の利益をあげることは、企業にとって絶対の条件である” (上巻P61)

事業は何かを決めるのは、生産者ではなく顧客である。社名や定款ではない。顧客が製品やサービスを購入して、自ら満足させる欲求が何であるかが事業を決める。したがって、「われわれの事業は何か」という問いに対する答えは、事業の外部、すなわち顧客や市場の立場から事業を見ることによってのみ得られる” (上巻P64〜65)

“マネジメントは、消費者の心理を憶測するのではなく、消費者自身から率直な答えを得るよう意識して努力しなければならない。したがって、「われわれの事業は何か」という問いを発し、正しく答えることこそ、トップマネジメントの第一の責務である” (上巻P65)